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妹えっち!

第2章 予想外の攻撃性







 璃乃は合気道を習い始めた

 ビルの三階にある
 合気道教室に入会した



 峰斗はそのひとつ上
 四階にある空手教室に通った



 両親に相談し、金銭的な面でだけ渋い顔をされたが、意欲的な子供に両親は笑顔を見せてくれた

 二人分の月謝は苦しいだろう
 裕福ではないから、その重みと感謝を噛み締めて稽古に励んだ



 峰斗も、璃乃もである



「お兄ちゃん、帰ろ!」
「璃乃」



 一足先に着替えて峰斗を四階まで迎えにきた妹の璃乃は、胴着姿の峰斗に抱きついて困らせた



「こら、離れろって」
「やーだー」
「汗臭いから」
「聞こえなーい」



 同じ入門者の人に、名物の兄妹としてどっと笑われる



「相変わらず仲いいなー」
「からかわないでくださいよ」
「ははは」



 なぜ名物かと言えば
 小学生や仲がいいからといった理由だけではない

 同じ門下生たちが驚くくらい兄妹共にメキメキ上達したからである



 このビルの三階の合気道と四階空手は姉妹教室で、ジャンルは違えどたまに合同稽古したりする



「お疲れ様っした」
「お疲れ様でした~!」
「ああよかったまだいた
峰斗君少しいいかな?璃乃ちゃんにも聞いてほしいんだけど」



 呼び止める声
 合気道教室の先生だった



「どうかしました?」
「単刀直入に言います!一番の有望株の璃乃ちゃんにどうしても大会に出てもらいたくてお願いにきました!」



 ?と璃乃は首をかしげる

 峰斗は溜め息をつく
 璃乃は上昇志向は強いが、無欲なのがたまにきずだ
 大会になど興味がない
 実力を試す事に興味がない



 峰斗、小6
 璃乃、小4



 たった一年弱で
 璃乃は周囲から神童と呼ばれるようになっていた



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