妹えっち!
第12章 翳り
結局アルバム見たり、本の話題になったりと勉強ははかどらなかったが楽しかったからよしとする
親もいないし
……お兄ちゃんもどうせ気にかけないだろうから
本当は遅くたっていいんだけど…
夕方にしっかり帰る私ってなんだろ
お兄ちゃんがおなか空かしているとでも?
「ただいま…」
ほら、いない
いるわけがない
家の中はもぬけの殻だった
「バカみたい…」
今日は午前から入ってて
夕方前にはバイトが終わる
朝そんなことを言っていた
あぁどうせ真に受けましたとも
悲しいのか悔しいのか
ムカムカしながら米をとぐ
自炊しなきゃご飯抜きになる
人の気も知らないで…
あんな事をされて、私がどれだけ気まずいかも知らん顔で、家族だし兄妹だしどんな顔したらいいのかわからないけどいつも通りに振る舞って
なにあのクールな顔?
思い出しても腹が立つ
まるで何もなかったみたい
どうせ彼女に嫌われてえっちしてないから溜まってたとかそういう理由で人のからだをおちょくったに決まってる
気にしてもムダ
私はもう気にしないって決めた
「なんで無視すんの?」
「っひゃぁ!?///」
耳元で低く囁かれて飛び上がる
驚いて裏拳をかましていた
「ぐぁ…っ……てぇッ…
なんか目に…コメ…?」
いつ帰ってきたの??
お兄ちゃんがいた
「な、なんでいるの?」
「てめぇ…今だよ今
たった今玄関から帰ってきて
そんでお前に呼びかけた
で、覚悟はいいよな?」
「か、覚悟ってなんの覚悟?」
「死ぬ覚悟だよ
人の顔コメまみれにしやがって」
改めてお兄の顔を見る
綺麗な顔立ちにお米が添えてある
「ぶっ」
「は~ぁ?」
「ぶはっ!あはははは!
こ、コメ怪人?」
笑ったら気持ちがすっ飛んだ