妹えっち!
第20章 別れ話
別れたことを北斗に報告し
なぜか泣いてもらった
その姿は安心できた
心の整理がついたら本当の私を知ってもらおうと思った
美春と北斗に慰めてもらいその日の学校は終わった
家に帰った
「ただいま」
トントントントン―…
階段をあがる
璃乃が学校に行ってる間、馴染みの家政婦さんがいったん様子を見にきてくれることになっていて、お兄ちゃんの安らかな寝顔を見てほっとした
璃乃は近くに行って座る
ぽふっと頭を布団に突っ込む
なんだか疲れた…
璃乃の頭が撫でられる
「お兄ちゃん、熱は…?」
「あぁ…少し下がった」
「そう。薬は?」
「飲んだよ」
「あのね」
「なんだ?」
「彼氏と別れた」
峰斗は熱のある身体を押してベッドから起き上がる
俯いて横を向く妹の髪を撫でる
「こっち向けよ」
「………」
「…泣いたんだな」
璃乃の目元を触り、泣きはらした妹を引き寄せて両腕で抱く
「俺が…悪かった」
「どうしてお兄ちゃんが謝るの?
妹が彼氏と別れたくらいでさ
大袈裟だよホント」
「ごめんな」
「なんで喜ばないの?
嬉しくないの?
変態お兄ちゃんの大好きな妹が
フリーになったんだよ?」
璃乃は強く抱きしめられる
「ごめん」
「だからうざいって
そういう条件だったでしょ
浮気した彼氏なんかいらないし
もう好きでもないでもないし
超冷めた、最悪」
嘘
だったらなんで涙が出るんだろう
本当にそうだったら
悲しくなんかならないはずだ
「うっ…ぁ…見るなぁ…っ
変態、変態、変態!!」
「一大事だからお前が泣くのは
慣れないくせに強がるな
悪いのは俺だから」
お兄ちゃんが優しい
ずるい、泣きたくない
平気、悲しくない
見られたくない
でも、お兄ちゃんが腕の中があったかくて虚勢が溶けてしまった
うわぁぁぁぁん―…!!
お兄ちゃんが優しかった
お兄ちゃんはいつもずるかった
親でさえ気づかない気持ちにお兄ちゃんだけは見透かしてくる
いつも私の特等席だった
璃乃はたくさん泣いた
泣き顔を見られ、キスされた
何度冷たくされても
世界一安心する場所だった