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妹えっち!

第4章 えっちな…







 翌朝
 璃乃は足音を消してそろりそろりとリビングに姿を現した



(大丈夫…言える
いつも通りいつも通り…)



 昨日は恥ずかしさから
 ついお兄ちゃんに八つ当たりみたいな事を言ってしまった

 変に思われてたらどうしよ
 大声で怒鳴ったりして…お兄ちゃんの機嫌が悪かったらどうしよ

 キライって言った事を
 激しく自己嫌悪していた

 璃乃は内心すごく不安だった
 顔を見るのが怖かった



「お、おはよっお兄ちゃん」



 元気を装って
 璃乃は明るく飛び出す



「おはよ、璃乃」



 よかったいつも通りだ!

 一瞬で不安など吹き飛んで
 璃乃は笑顔を咲かした

 朝食の支度をしていた峰斗の回りを璃乃はちょろちょろする

 遊んでいるのではなく
 手伝っているのだ

 二人でやればずっと早い



 この頃になると二人は簡単な料理ならできるようになっていた

 小さい頃から進んで家政婦の大森さんに料理の手ほどきを受けた甲斐あって兄妹で自炊も夢じゃない



「パン焼けた、運ぶね」
「おー」



 ちらりと振り返って
 璃乃は峰斗の後ろ姿を見る

 特別、変わった様子はない
 二人で協力する朝食



「ふふっ…♪」
 璃乃は上機嫌になる

 そうだよ、お兄ちゃんにしてみれば妹の駄々なんか慣れっこだもん

 そんな事で
 嫌われたりしないもん



「お兄ちゃん食べよっ
急がなきゃ遅刻しちゃう!」



 峰斗が普通で璃乃は安心していた

 見えない変化に気づけなかった



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