テキストサイズ

妹えっち!

第1章 仲のいい兄妹







 いくら峰斗が璃乃を構ってもイジメがなくなるわけじゃない

 たまたま璃乃に突っかかっていた男子を見つけた峰斗は、むりやり間に割り込んで睨みを利かせた



「俺の妹になにしてんだよ」



 上級生を見るや否や
 その男子は腰が引けていた



「妹に何かしてみろ
そん時は俺とケンカしてもらう」



 二学年違うけど
 璃乃は兄と同じ小学校

 帰りは手を繋いで
 二人っきりで家に帰る
 学校が終われば、璃乃は兄とずっと一緒にいられる

 残りの時間は大好きな兄と一緒にいられると思えば、どんなにつらい事があっても耐えられた



 両親が海外に行っている璃乃にとって兄だけが心の拠り所だった



 優しくて
 頭がよくて
 かっこよくて強くて
 守ってくれて
 自慢のお兄ちゃん



「テスト?」
「うん、ここ間違えちゃったの」



 峰斗の膝の上で璃乃は返ってきたテストを広げる

 90点
 見上げてくる璃乃の頭を、すごいじゃないかと撫でてやる



「ここはこうすればいい」
「あーそっか!」



 璃乃はうん?と見つける
 峰斗のランドセルから数枚の紙きれが見えていた



「わーすごーいっ
お兄ちゃん100点だー!」
「勝手に見るなよ」
「あと95点と、もいっこ100点!」
「璃乃もすぐ取れるよ
だからちゃんと勉強しような?」
「うんっ勉強するっ」



 璃乃は別に
 勉強が好きなわけじゃなかった

 でも勉強すれば
 兄に見てもらえる
 何よりも楽しい時間になる

 璃乃はそれが好きで
 せっせと勉強する子になった



 勉強すると喜んでくれる
 テストでいい点取ると
 たくさんたくさん誉めてくれる

 誉められると
 胸の辺りがくすぐったくて
 すごく嬉しくなる

 もっと誉められたくて
 璃乃は夢中になって勉強した
 テストが待ち遠しかった



ストーリーメニュー

TOPTOPへ