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妹えっち!

第1章 仲のいい兄妹







「璃乃、いるか?」
「お兄ちゃん」



 峰斗は休み時間のたびに下級生のクラスを訪れ、妹の璃乃を連れ出して自分の友達と一緒に遊ばせた



「おい峰斗、妹走れんのかよ」
「バカ言うな
お前よりは戦力になる」
「言ったなー!」


「なにするの?」
「ケイドロだ、んで警察
おい璃乃はこっちでいいよな?」
「あー?やるよやるよ
女なんか足手まといだもん」
「いいか璃乃
俺の指示通り動けるな?
兄妹の連携技を見せてやろうぜ」
「うん、わかった」



 泥棒グループが逃げ
 警察グループがそれを捕まえる
 小学校の敷地の舞台にした、とにかく走り回るケイドロが、男子には大人気で毎日やっていた



「わー逃げろ逃げろー!」
「ぜってぇ捕まるなよー!」



 峰斗は運動神経がよく
 走らせれば速かった
 警察にしろ泥棒にしろ、仲間内では要注意人物

 しかしいくら足が速くてもゲームはひとりでは勝てない



「峰斗がきたぞー!」
「バラバラに逃げろー!」



 地理も利用した
 泥棒たちが逃げる方向から璃乃がまっすぐ走り込んできた



「うわ、やば!」
「逃げろー!ってか足速ぇ!?」



 戦車のように走り込む璃乃
 後ろからは峰斗、挟み撃ちにされた泥棒が逃げ惑う

 追いつめられた男子はイチかバチか妹を抜くのが得策と考え、フェイントをかけてバラバラに走り抜ける



 璃乃は言われてた通りこのチャンスに真っ先に足が速い人を捕まえた

 欲張らない



「よくやった
牢屋に入れたらすぐ戻れ」



 峰斗は璃乃を通りすぎ
 そのまま泥棒を追いかけていく

 誉められた璃乃は
 役に立てたのが嬉しくて
 こっそり満面の笑みで笑った



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