妹えっち!
第8章 コンビニ
カレシができたら自分はお役御免
そんな考え方をしてるお兄ちゃんが理解できなかった
カレシができても
お兄ちゃんが大切な家族で大好きなのは変わらないのに
でもそう思ってるのは
私だけだったんだ
なんで疎まれたんだろ…
それを考えた時
答えは簡単に出てきた
私にはお兄ちゃんしかいなかったからお兄ちゃんは多くの時間を割き、面倒を見てくれた
自分が使える自由な時間
私という足枷が、友達と遊ぶ時間や約束を奪っていた
私が知らない所で
何度断っていたか数知れない
お兄ちゃんは確かに幼い頃から私のそばにいてくれた
でもそれって
仕方なくって事で
それって…それって……
「私ってさぁ…
いないほうがよかったのかなぁ…
ひっく…うぅ…うぅぁぁ…」
お兄ちゃんはもういなかった
妹を置いて先に帰った
私の呟きは夜の闇に吸い込まれ
泣きべそと静寂が辺りを包む
お兄ちゃんが離れていく
単純な距離じゃなく
心と心が離れてく
でも行かないでと言えない
私は胸が痛くて泣いた
心の中がぐちゃぐちゃだった
大事な時間を犠牲にしてくれたお兄ちゃんに私は何も返せない
大好き
感謝してる
愛してる
大好き大好き大好き
なんて嘘臭いんだろう
なんて薄っぺらな言葉だろう
お兄ちゃんはきっと俺もだよ
って言って、でも別にもういいからって言うんだ
きっと信じてもらえない
私は自分の事しか考えてなくて
お兄ちゃんに友達がどれだけいるのかも知らない
もし友人関係が上手くいってなかったらそれは私のせいだ
私がいなければ…
仮にお兄ちゃんが何回何十回そう思ったのかを考えると、胸が張り裂けそうになって私は泣き崩れる
お兄ちゃんはやっと
自分の自由を手に入れたんだ
誰にも縛られない
好きな事をしていい
私にそれを止める権利はない
もう干渉しちゃいけない
なぜか涙が止まらなかった
嫌われるのがつらくて悲しくて
なんだかすごく嫌で
これだけはっきりと言われたのにまだ未練がましい自分に嫌気がさし
でも離れなきゃ
それだけを思っていた
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