妹えっち!
第8章 コンビニ
「余計に首突っ込むなよ
なに考えてんだ」
コンビニからの帰り道
お兄ちゃんに叱られる
でも彼らには悪い事したけど
顔がにやけてしまう
お兄ちゃんに守られるのは
誰よりも妹の特権だった
「うん…気をつける」
叱られたっていい
真面目な顔の、えっちじゃないお兄ちゃんはすごくカッコいい
夜でよかった
俯けば顔が赤いのもわからない
「軽率な行動は控えろよ、もうあんまり守ってやれねぇんだから」
………?
どういう意味だろ
「なんだよその顔
カレシができたんだろ?
だったら俺じゃなくて
カレシに守ってもらえよ」
「――え…」
思わず足が止まる
お兄ちゃんもそれに気づいて立ち止まっていた
「来年は高校生だぜ?
いつまで俺をあてにしてんだよ
いい加減迷惑なんだよ」
言葉の意味が理解できなかった
大砲のように突き刺さって
私の胸に穴を開ける
――迷惑…? 誰が…私が?
うそだよね?
衝撃が強すぎて、自分が今どんな顔をしているのかわからない
理由を問う事すらできない
明確な拒絶と怒り
お兄ちゃんは怒ってるようだった
冷たい表情が私を射抜く
私の知らないお兄ちゃんがいた
「え、あ…なんで…?
な、なんで怒ってるの…?」
「怒ってねぇよ」
いや絶対怒ってる
全身から汗が噴き出した
蛇に睨まれた蛙だった
どうしたらいいかわからなくて泣きそうになっていた
冷たい態度、声
大好きなのは私だけだった
私はずっと嫌われていた
そう思うには十分すぎる、お兄ちゃんの豹変だった