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妹えっち!

第9章 初体験







「かわいいね」
「…そうかな?」



 都筑哲平と付き合い始めてから1ヶ月が経っていた



 毎日学校で顔を合わせ
 帰りは二人で帰り
 休日は予定を作って会った

 それから
 毎日メールした



 好きになってもらえるよう頑張るからって言われた時の、嬉しいような恥ずかしいような気持ち

 好きかもって思った
 それから少しずつ惹かれていって親友たちにアドバイスされながら夢中で恋を謳歌していた



 初めてのカレシ
 好かれようと一杯一杯だった
 異性と付き合うのは楽しくて、気を回したりドキドキしたり、彼氏が好きという自分が好きになっていた






「いやホントだって
お世辞じゃないです
マジでかわいいと思う」
「ありがと」



 デートも何回目かで
 女の子らしいカッコが似合わない璃乃は今日はショートパンツにキャミソールにジャケットを羽織ってきた

 ちょっと男っぽい
 それでもかわいいと言ってくれるのが嬉しかった



「私服すっごい似合ってる」
「…なんか照れるね」



 璃乃は哲平と呼んでいた

 私服はなかなか見慣れないのと哲平がいつもよりカッコよく見えるのとで普段より緊張していた

 合気道の試合より緊張する



「璃乃、行こ?」
「うん」






 待ち合わせして
 映画を見て

 ショッピングモールを歩いて
 ちょっとふざけながら
 並んで笑って



 どうしよう楽しい
 晴れてよかったな…
 デートが楽しくて笑顔が絶えない



 もうそろそろお昼だ
 哲平がそわそわしてる



「あのさ
突然かもなんだけど
よかったらウチで作って食べない?」
「えっ?」
「駄目かな?」
「あ…うん
いいかもね、私作れるよ?」
「知ってる、お兄さんと二人暮らしみたいなものだもんね」



 笑ってやり過ごす
 お兄ちゃんの事を今は考えたくなくて強引に思考の外に弾き出した

 今は…忘れていたい



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