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えっちなたいいくのじかん

第7章 3じかんめ「どっじぼーる」

そのボールはアイちゃんを狙ったものだった。アイちゃん避けきれず、短い悲鳴を上げて手を突き出し、変な格好でボールにあたる。そこを俺はダッシュでアイちゃんに近寄る!一瞬のタイミング!ずれたら失敗するが、しかし、俺ならいける!ボールがコートに落下する前に、拾って落とさないように抱え込むのだ!ぐい、ぱしっ。

「おおー」

周りから思わず感嘆の声があがるのが聞こえた。俺はとっさに目をつむっていたが、目を開けてみるとしっかり自分の両手にボールが包まれていた。成功だ。

ボールを投げたリュウノスケは、バカされたと感じたのかどうか分らないが、どうも険しい穏やかならぬ表情でこっちを睨んでやがる。へっ、えっちな欲望に不可能はないんだぜ。シャイボーイが。

リュウノスケの後ろ、敵コートの後方には外野のタヌマがパスを待ちうけているのが見える。そしてよく見ると、両サイドの外野はハヤトとカトーの野郎がニヤニヤして待機してやがる。タヌマはともかく、こいつら、今回は計画を伝えてないのに、察しよく協力してくれるらしいや。イカしたエロガキどもだぜ、俺たちぁよォ!じゃ、ま、反撃といこうぜ。

さっきのお返しに、全力の投球をリュウノスケの野郎にお見舞いする。だがリュウノスケさすが上手い、なんの苦もなく避けやがる。でもボールは外野で待機していたタヌマにキャッチされた。

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