テキストサイズ

えっちなたいいくのじかん

第7章 3じかんめ「どっじぼーる」

タヌマは取ってすぐにカトーへ短いパスをする。カトーもクイックなパスを俺に返す。俺はハヤトに速球のパスを出す。ハヤトは難なくキャッチして、フェイントのフォームでタヌマにパスする。

ダイヤモンドのような正確無比の素早いパス軌道は、俺達のえっちへの探究心が並々ならぬ集中力を生み出すがゆえに可能な技だ。ボールは空を切り裂き、鋭い摩擦音で唸る。もともとリュウノスケ率いるチームは、メンバーの運動神経から考えても100%勝てることを見込んでいたのに、ゲームは異様な様相を帯びてきて、まったく正反対な一方的展開となったのだ。

そろそろボールから逃げ回る足が、追いつかなくなってくる頃だ。俺はカトーからの目配せを受け取り、さっそく足のもつれたおんなのこの、おしりを狙う。ヒット。ぼふ、という重い音をたててボールは跳ね返り、おんなのこは前のめりに倒れる。おしりにボールが当たるってのは相当マヌケだとでも言うのか、数名の野郎が笑い声を立てる。へへ、分ってない奴らめ。俺は狙おうと思えば全員のおしりにボールをぶつけられるが、野郎のケツにゃ興味ないから狙わんだけだ。うむ、いけ好かない野郎にゃ顔面食らわしてやろうかね。

おんなのこが恥ずかしさで顔を赤らめて泣きそうになりながら外野に移動するのも待たずに、跳ね返ったボールを拾ってパスワークを継続する。そして、隙あらばガンガン狙うのだ。おんなのこは、そのかわいいおしりへ。野郎は顔面だ。ん?顔面は無し?当たってもノーカン?よろしい。ノーカンなのだな、じゃあ何回でも当てていいってことだよな。

既に相手コートは3人だけとなった。リュウノスケと、リホと、野郎1人だ。いよっと、うん、顔面に3回投げてノーカンになった後、今やっと足にぶっつけてやったから、野郎1人もアウト。残りの敵はリュウノスケとリホだけだ。ウシジマはハイレベルなゲーム展開に見とれている。うむ、俺達のテクを見りゃ、体育教師名利に尽きるってもんだろう。よーく見とくがいいぞ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ