
私
第5章 二週間前
宮本は踊り場の時計を険しい顔で見ていた。
「宮本さん、
やはり時計が気になるのですね。」
「この時計は民江さんもご存知のように、この家の顔とも言っていいから、何とか直したいんだよ。」
「そうですね。
宮本さんは直せそうですか?」
「何とかやってみるよ。でも、またすぐに止まってしまったら、悪いね、何とかもつようにはするけどね。」
「ありがとうございます、よろしくお願いします。」
この時計を直してくれる!でも、せめて1日はもってほしい。これで完璧ね。
宮本は微笑んで一礼をした。
私も一礼をして台所へ向かった。
