
私
第7章 前日
何年か前……
百合子様はパーティーが延期になるのを恐れて、私達に挨拶回りをさせたけど、皆に嫌われ者の百合子様を誰も相手にはしたくなく、結局パーティーは延期となり、旦那様も顔を出さなかった。
実は毎回そんな感じで、パーティーの準備だけして終わり。
あの人はもう既におかしい。
たまに寂しくて、演技ではないかと思うぐらい。
けど、一つ同情する。
だって、
旦那様はもういらっしゃらない筈なんだけど、百合子様は認めたく無いせいか、信じ込んでいる。
奥様だって……
奥様……
私の母……
