
私
第8章 午前7時
「民江さん、
宮本の姿が見えないけど、何処へ行ったのかしら?」
「この激しい雨のなか、わざわざこちらまでいらして下さるので、お出迎えの準備をされていると思いますよ。」
「そう、
大変ね。」
百合子様、
これが本当なら、貴女の為に用意しているのだから、感謝の言葉ぐらいかけてもいいんじゃないんですか。
私は貴女のそういう思いやりに欠けているところが嫌なんですよ。
きっと、
母の時も……
いや、この家の人間は貴女だけ。
原因は貴女なんでしょう。
だから、
いじめたくなるんですよ。
貴女が過去にあった辛い思い出とやらも、お忘れみたいなのでゆっくりと思い出させてあげますよ。
