
私
第10章 午後12時
黙って、
ゆっくりと紅茶を入れて差し出すと、相変わらずの笑みで
「民江さんはどんな衣装を着るのかしら?」
「パーティーは百合子様が主役ですから、私は大したことないですよ。赤いドレス着たところ私は拝見ことが無いので、楽しみですわ。」
「そう、
嬉しいわ、でも折角お直しに出して頂いたのに、私今になって迷ってますの。」
「まぁ、
そうなんですね。
百合子様は何を着てもお似合いですけど、やはり赤いドレスを着ているところを私は見たいですけどね。」
この際、
貴女のドレスなんてどうでもいいのよ。
こんな天気なのに、パーティーを開催すると思っているなんて本当に世間知らずの、とんだ馬鹿女ね。
