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第2章 三年前




何時間経っても天気は変わらず、シトシトと甘雨が降り注いでいた。



鏡を見ると頭に包帯が巻かれていた。



大袈裟ね。



ジーと鏡を見ていたら、視界の片隅からゆっくりとドアが閉まってゆくのが見えた。



「誰?」



言っては振り向いたが、完全に閉まる寸前の状態だった。



怖くなり、
勇気を振り絞って一気にドアを開けたが誰もいない。



きっと民江がきちんとドアを閉めてなかったのよ。



そう思うことにした。


あんなこと思い出すから、臆病になっているんだわ。



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