テキストサイズ

第2章 三年前



「百合子様、
宮本は一部始終見てましたよ。」



「私、一体… 」



一体何があったのか全く理解出来なかった。


夢なのか、現実なのか、1つ言えるのは夢にしてはあまりにも現実的なことだ。
宮本にすがるしかない。



「百合子様は
物置部屋の前で倒れていまして、倒れた勢いですかね、頭の包帯から出血しておりまして、急遽手当てして民江さんとお部屋まで運んで行ったんですよ。
お部屋から叫び声が聞こえてきたので、民江さんが心配してお部屋に行ったら、今みたいな状況に…」


「宮本、
私は一瞬、民江が化け物に見えたのよ。」


「百合子様はだいぶお疲れの様ですね。



「でも…」




「言い難かったのですが、近頃の百合子様は情緒不安定でイライラが激しく、ご病気が悪化されていると思いますよ。
なので、お薬を少々強めにさせて頂きますね。
民江さんには落ち着き次第、私からご説明しておきますよ。」


私はあれから、精神的病なんだ。

精神的病からくる病状なのね。



何日かして民江はいつも通り変わらずに私に接してくれた。


真夏のようにジリジリと直射日光の照り返しが激しく 紫陽花が枯れていた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ