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第3章 一年前




私は結婚した。



親の決めた"婿"となる男性と結婚した筈なのに式すら挙げず、今だ顔すら見ていない。



私の病状が悪化しているから、籍だけ入れた状態だ。


私にとっては好都合だ。



頭が痛い。



冬の凍えるような冷たい雨が身体に堪える。
ここのところずっと雨だ。



精神的にも堪えるせいか、部屋にいると度々天井からたまに"ガガガガ"という不気味な音が聞こえてくる。



行って見に行きたいのはヤマヤマだが、怖くて見に行けなかった。



病気だから聞こえてくるのよ。



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