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小心者の恋事情。

第8章 不思議な感情。

「タクシーで帰るつもりで残業してたんですけど、
店の鍵持ってなくて…
帰るに帰れず…

飯かいに出る事も出来なくて。

早番が来るの待ってました…。」


『…お気の毒に。
ところでわおさん。
今日の出勤時間は?』

「…10時…」


『間もなくですね。』

「……はい、」

『一度帰るよりはましでしょう。

ウチで蒸し鶏が待ってます。
行きましょう!』


背に腹はかえれません。


荷物をぶんだくって、虚ろな目のわおさんの手を引く。


『もうすぐです。寝ないで下さいね。』


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