運命操作
第5章 捨てきれぬ想いとトラブルの火種
楓は体育大会前とは一転、幸せそうであった。その様子を見ていたら、梨花や楓に昨日の出来事を相談したかったものの、言い出すことができなかった。
でも別に、それで良かった。大したことはなかったんだし、大丈夫だろう。そう自分に言い聞かせていた。
「実は…彼と付き合い始めたの」
楓が恥じらいながら言った。
「やっぱり?そんな感じしてたよ、おめでとー」
ニヤけた顔の梨花。
「ついに、あたしのもとから巣立つときが来たのねっ。うっうっ…おめでとう!!」
泣き真似をして、冗談混じりにそんなことを言い、笑顔を作った。
本当に、心から嬉しかった。このまま二人がうまくいってほしい。…あたしが、ダメだった分。
相手が楓だからかもしれないけれど、あたしは素直にそう思えた。
「じゃあ、先帰るね」
部活の後、楓が申し訳なさそうに言った。ラブラブだね、と梨花が茶化す。あたしが、気にしないで、気をつけて帰ってね、と返すと、ごめんね、と楓は足早に部室を出ていった。
おしゃべりに夢中になっていた先輩たちも、話を切り上げて帰っていく。誰もいなくなり、薄暗い部室の窓辺に近づく。梨花の方はまだかかるようである。
いつも通り、あたしは梨花をここで待つことにする。
でも別に、それで良かった。大したことはなかったんだし、大丈夫だろう。そう自分に言い聞かせていた。
「実は…彼と付き合い始めたの」
楓が恥じらいながら言った。
「やっぱり?そんな感じしてたよ、おめでとー」
ニヤけた顔の梨花。
「ついに、あたしのもとから巣立つときが来たのねっ。うっうっ…おめでとう!!」
泣き真似をして、冗談混じりにそんなことを言い、笑顔を作った。
本当に、心から嬉しかった。このまま二人がうまくいってほしい。…あたしが、ダメだった分。
相手が楓だからかもしれないけれど、あたしは素直にそう思えた。
「じゃあ、先帰るね」
部活の後、楓が申し訳なさそうに言った。ラブラブだね、と梨花が茶化す。あたしが、気にしないで、気をつけて帰ってね、と返すと、ごめんね、と楓は足早に部室を出ていった。
おしゃべりに夢中になっていた先輩たちも、話を切り上げて帰っていく。誰もいなくなり、薄暗い部室の窓辺に近づく。梨花の方はまだかかるようである。
いつも通り、あたしは梨花をここで待つことにする。