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寝取られ漂流記

第8章 17歳夏

「っ疲れたぁ」


広くないお店の裏ではゆっくり出来ないから、あたしはいつも休憩を裏口から出てすぐの所で過ごしていた。


携帯を開いて、適当に弄る。


マスターはいい人だし、仕事がそんなに忙しいってわけでもない。


ただ、今のあたしを高ぶらせる刺激もない。退屈なバイトだ。


いっそ、お客さんがセクハラ的な事をしてくれた方があたし的には嬉しかったり。


「何、一人でニヤニヤしてんの?」


急に話し掛けられて顔を上げれば晃佑がいた。
今日も夏期講習だった筈なのに、どうして?


「そんなに驚くなよ。今日、早めに終わったから、迎えにきただけだって。外から見たらいなかったから、こっちかなと思ってさ」


あたしの感情を読み取った晃佑はあたしの隣に座った。


「何時まで?」
「後、二時間くらいかな」
「じゃあ適当に時間潰してからまた来るよ」


あたしの頭を撫でてから立ち上がる晃佑に、あたしは思わず晃佑の袖を掴んだ。

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