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寝取られ漂流記

第8章 17歳夏

無人の入口でお金を払って中に入ると、
殆どが空席の中、ポルノ映画が上映されていた。


構わずに進もうとする晃佑に、
あたしは掴まれた腕を逆に引っ張って晃佑の足を止める。


「ここってあたし達入っちゃいけないとこじゃ」
「大丈夫だって」


耳打ちで話すあたしの意見なんてお構いなしに晃佑は止めた足を再び動かして最後列の一番端の席に座った。


「ほら、早く」


立ち尽くしてしまったあたしは慌てて晃佑の隣に座る。


その間にも、大きなスクリーンでは、
映画が上映されていて、甘美な声が映画館中に響き渡っている。


「そこじゃない」
「へ?」


隣に座ったあたしに晃佑は不満そうな顔を向ける。


反対側はもう壁だし、晃佑と離れて座るなんて絶対無理なんだけど。


「ここに座って」


と晃佑が示したのは、
なんと晃佑の膝の上だった。

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