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寝取られ漂流記

第9章 17歳秋

「君、凄過ぎだよ」


終電なんてとっくに無くて家の最寄りの駅まで送ってもらうとお兄さんは疲れ果てたように言った。
それでも、ちゃんと送ってくれた事を考えたらやっぱり優しい人だと思う。


「ごめんなさい」


流石に申し訳なくなった。
あんなに沢山したのはあたしだって初めて。
でも何かに取り憑かれたように腰を振った。
気持ち良かった。


「謝らなくていいよ。僕も楽しかったから」


気を使ってそんな風に言ってくれるお兄さん。
ほんとに出来た人だと思う。
やっぱり大人は違うなぁ。


「じゃあ、今日はありがとうございました」
「ちょっと、待った。これ」


車を降りようとしたあたしを呼び止めて、
お兄さんは封筒を渡してきた。
そういえば、10万なんて言ってたっけ。


「あたし、いいです」
「何言ってるの。君の大切な時間をもらったんだから」
「いいんです。それじゃあ」


あたしは止めるお兄さんを振り切って車を降りた。

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