テキストサイズ

寝取られ漂流記

第14章 18歳冬

「茜は?」
「あたし?」


彰人は机の上で足を組み、
お返しとばかりに聞いてくる。


「そ、この一年楽しかった?」
「あたしは…………」


楽しくなかった。
と言えば嘘になる。


彰人がいてくれたお陰で、
あたしは、今ここにこうしていられるって思う。


そうじゃなかったら、
多分あたしは晃佑の所に行ってしまっていた気がする。


親とか、学校とか、
その他の事も全部投げ出してでも、
晃佑の所に追い掛けてしまったと思う。


「彰人にいろんな事を教わったかな」
「何それ、答えになってないじゃん」


彰人はゆっくりと立ち上がると、あたしの目の前まで来た。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ