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寝取られ漂流記

第17章 19歳秋

「ねぇ、茜ちゃん?」
「何?」


気絶したまま寝てしまった由美さんを、
大輔さんが抱えるようにしてホテルを出た。
声を掛けてきたのは
車が走りだしてすぐぐらいだった。


「また会えないかな?」


緊張した横顔で尋ねてくる大輔さん。
その横顔をみた途端、
あたしの中の小悪魔的な部分が顔をのぞかせた。


「どうしてぇ?」
「どうしてって」
「だって、お兄さんあたし達の前にも女の子と遊んでたじゃん」


名前は伏せた。
でも早紀さんの事を聞く。


別に二股とか気にはしない。
でもその口からはっきりと聞きたかった。


「見ていたのか?」
「そだよー。彼女じゃないのぉ?」
「あれは……そういうんじゃないんだ」


大輔さんは小さく答えた。

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