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寝取られ漂流記

第19章 20歳春

「鍵を出せ」


腰に当てられたままの何かに、
あたしは男に従う。
その腰に当たる何かは布に包んでいるみたいだけど、
どこか冷たさを感じる。
本物なんて見た事ないけど、
これってまさか。


カバンから鍵を出すと、男は「開けろ」と言ってあたしに鍵を開けさせた。
新手の強盗?それとも強姦でもするつもり?
パニックになりかけた頭を、
状況を考える事でなんとか保つ。


「入れ」


男に従うようにそのまま部屋の中に入る。
抵抗しようにも状況が悪すぎる。


玄関で靴を脱ぎ、そのままベッドの奥の方まで来る。
男はあたしの腰に何かを突き付けたまま、
その近い距離を付かず離れずであたしの真後ろにいる。


「ゆっくり振り向け」


何を考えているのか、分からない。
でも機嫌を損ねたら何をされるかはもっと分からない。
あたしはゆっくりと男の方を振り向いた。


その瞬間、
男の唇があたしに唇を奪った。

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