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寝取られ漂流記

第19章 20歳春

あたしは思わず目を見開いて泣きそうになった。
それは男が知っている人だったから。


ううん。
知っている人なんて言い方をしたら悪い。
あたしの可愛い可愛い男の子。


男の子は唇を離すと、
ニマーっと笑顔を見せる。


「怖かった?」
「バカッ」


腰が砕けて崩れそうになったあたしを、
その子は優しく支える。


前まではもっと子供っぽかったのに、
少し会わない間にこんなに男らしくなるなんて。


「茜を驚かそうと思ってさ」


舌をペロッと出して見せるその子に、
あたしも笑顔を向けた。


「彰人のバカ」

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