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寝取られ漂流記

第20章 20歳夏

閉店直後らしい店は、
お酒とタバコの臭いが充満していた。


「絵里、いるんだろ?」


彰人が誰もいないように見える店内に声をかけると、
ソファーで寝ていたらしい女性が身体を起こす。


「え?彰人君じゃない」
「よっ」


頬を赤らめて服を直す絵里さんに、
彰人は素っ気なく挨拶する。
絵里さんの頬の赤らみをみたあたしは、
二人の関係の想像がついてしまった。


「どうしたの?」
「この子、今日一日預かって」


とあたしは彰人に押し出される。
え?あたしここに放置されるの?


「それは構わないけど、もしかしてこの子が?」
「そ、茜」
「そう」


絵里さんは小さく溜息をつくと、
彰人に笑顔を向けた。

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