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寝取られ漂流記

第22章 20歳冬

だからかも知れない。
少し前にあたしはふと晃佑に会おうと思った。
やっぱりあたしの原点は晃佑だ。


その前にも後にも付き合った男はいた。
大和さんだって、傍からみたらそうなんだろう。
でもあたしの心に大きな穴を空けたのは間違いなく晃佑。
だから一度会って、気持ちをすっきりさせようと思った。


そんなあたしの決心を話して鍵を返すと、
大和さんはまるで自分の事のように喜んでくれて、
笑顔で見送ってくれた。


別にまた付き合いたいなんて思ってなかった。
抱かれたいとも思わなかった。
ただ会って話をしたい。
それだけだった。


あたしは別れてからもどうしても消せなかった晃佑の携帯の番号に電話をかけた。
晃佑は最初驚いたようだったけど、
「会いたい」
って一言でOKしてくれた。


そして今、
あたしは晃佑の住む街に来ていた。

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