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寝取られ漂流記

第22章 20歳冬

「それにしても驚いたよ」


意を決して来た筈なのに何も言えないあたしに、
晃佑の方から口を開いてくれた。


「また連絡してくれるなんて思わなかった。茜の事だから俺の事なんてもう忘れてるって」
「そんな事、ないよ」


ようやく顔を上げたあたし。
目の前に座る晃佑は、
やっぱり大人っぽくなってて、
あたしは思わず見とれてしまう。


あぁ、やっぱりこの気持ちだったんだな
って思う。


でもこの気持ちをぶつけていいんだろうか。
迷惑じゃないだろうか。


晃佑の事だ。
今だって彼女がいるに決まってる。
だってこんなに恰好よくて、頭良くて、優しい晃佑だもん。
女がほっとくわけがない。


でも聞きたい。
聞かないといけない。


聞かないと。

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