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寝取られ漂流記

第22章 20歳冬

「そのまま座って」


晃佑の言葉に手の届く範囲で座る位置を確認しながら腰を下ろす。
その柔らかさでそれがベッドだとすぐに分かった。
だからなのか、この場所がどこなのかおおよそ見当が付いてしまった。


「晃佑?まだ外しちゃダメ?」
「外していいよ」


目を閉じてアイマスクを外す。
小一時間もアイマスクをしていたからか、
眩しく感じる。
ゆっくり目を開くと、
そこは妖艶なピンクを基調とした部屋だった。


さっきから座ってる大きなベッド。
これまた大きなテレビに、
ガラス張りになっていて中が丸見えのシャワールーム。


何度使ったか分からないその場所。
ラブホテルだった。


「ごめん」


晃佑はあたしの隣に座りながら、
頭を下げた。


「運転しながら色々考えたんだ。でも俺達らしい場所って言えばここになるのかなって思ってさ」


気まずそうな晃佑。
そう言えば晃佑とはこういう所には来た事が無いかも知れない。
晃佑が一人暮らししてたから場所には困らなかったし、そういう機会もなかったから。

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