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寝取られ漂流記

第22章 20歳冬

申し訳なさそうな顔であたしを見る晃佑。
こんな晃佑初めて見た気がする。


「あはは」


そう思うとなんだか不思議と笑ってしまった。


「茜?」
「ううん。晃佑もやっぱりあたしとしたいんだなぁって思って」


他の男に思われるのは嫌だった筈なのに、
晃佑にはそういう感情が湧かない。


「そういうつもりじゃ」
「そういうつもりじゃなくてラブホに連れてくるんだ?しかもアイマスクまでさせて」


あたしがからかうと晃佑は顔を真っ赤にして俯く。
そんな晃佑を見ていたら、緊張していたのが馬鹿らしく思えてきた。


「茜」
「なに?」


笑ってしまいそうになるのを抑えながら、
晃佑の方を見る。
晃佑は顔を真っ赤にしたままだけど、
真剣な表情であたしを見ていた。


「大事な話、していいかな?」
「いいよ」


晃佑のその表情を見て、
あたしも引きしまる思いがした。

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