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寝取られ漂流記

第4章 16歳秋

「大丈夫か?」


気が付くと傍には雅章君が立っていた。


「雅章君。あたし、どこがいけなかったのかな?」


誰かにこの思いをぶつけたくて立ち上がると雅章君にすがり付いた。


「あたしがいけないんだよ。
俊哉が望む彼女になれなかった。
だから俊哉は由井の事を。
あたしがもっと俊哉に尽くしてあげないといけなかったのかな。
いっつも甘えてばっかで、俊哉に気を使わせてたのがいけないのかな?
あたしがもっとエッチさせてあげれば良かったのかな?
あたしがもっと気持ちよくしてあげれば良かったのかな
あたしが、あたしが」


雅章君は何も言ってくれない。ただ黙って胸で泣かせてくれた。でもそれだけで良かった。


今何を言われても多分、あたしには嘘にしか聞こえなかったから。

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