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?…好き…?

第38章 迷宮…

彼女が病気になって、俺の傍に居られなくなる、そう言い出した時も…
……………
『乳癌だったら…やっぱり胸取るのかなぁ…髪の毛も抜けちゃうのかなぁ…』
『でも…そうなっちゃったら…もう…アナタとも…友達じゃいられないよ…』
『だって…そんなことになったら…もう…女じゃなくなっちゃう…』
こう言った彼女。
『ハァ…帰らなきゃ…私がこんな状態でも…アイツ…どうしようもないまま…帰りたくないなぁ…なんで…結婚したんだろ…結婚してなきゃ…ずっと…こうしていられるのに…』
そうも言った彼女。
俺は、彼女の胸が無くなろうが、髪が抜け落ちようが、何があろうと、ずっと…
ずっとずっと…
彼女の傍に、居てあげたい…
そう思った…
彼女の為にと…
それから、彼女とこんなやり取りもした…
俺は、彼女が俺の事を、弟分か何かの様に思っている、そんな風にも感じていたのに…
……………
『今日ね、朝、隣に座ってくれたでしょ、嬉しかった…それから、後ろからぶつかられて、くっついちゃったのも、嬉しかったな…』
『え?なんで…?そんなことぐらいで?今まで、手握ったって、抱きしめたって、何とも思わない、って言うアンタなのに?』
『いつも、嬉しかったわよ…』
『は?じゃ、なんで、いつも平気な顔してたのさ?』
『それは…その…強がり…みたいなもので…』
『なんだよそれ?』
『もっと…男らしく…引っ張って…リードしてほしくって…』
『はぁ!?じゃ、強がっちゃダメじゃん?』
『それでもっ…グイグイ引っ張ってほしかったのっ…それで…アナタと繋がりたかったのっ…凄く…凄く凄く繋がりたかったのっ…一つになりたかったのっ…なのに…してくれないんだもん…だから…もう少し先のつもりだったのに…子供作っちゃったじゃない…』

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