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Pour mon cher -涙の先に-

第64章 卒業 Ⅱ

通り過ぎる東に視線を送り続ける愛に向けて俺も薔薇を投げつける。




ナイスコントロール!俺!




薔薇は見事、愛の頭の上に。


?な顔して頭の上の“それ”を手に取って目で確認。


それからバッ!と顔上げて“誰!?”と視線を流し、ようやく俺の存在に気付いた彼女。



一連の流れをじっと行進しながら見てた俺には彼女の行動が面白くて堪らなくて。


1人でクスクス状態。




≪これ、猛司の?≫



そんな感じの事を口でパクパクさせながら薔薇を指差しジェスチャーする彼女。



≪それ、やる≫



俺も愛の手元にある薔薇を指差してジェスチャー。



キョトン顔して俺を見る愛に俺はニッコリ微笑んで彼女の前を通り過ぎた。





‥ボタン





気付くか?




気付かねーだろうな‥アイツ。






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