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Pour mon cher -涙の先に-

第16章 聞かざる?見ざる?言わざる???

「ふーん。まっ、そういう事にしておくよ」


そういう事って。


「取り敢えずどっか他いこ?」


そう言って重盛先輩に連れられ歩き出す。



けど。何故か腕を私の腰付近に回したままの体勢のままで。



「あの?こんな歩き方してたら…その、バレちゃいません?」


しかもちょっと歩きにくい…

しかもドキドキするし…



「こんな時間あまり生徒居ないっしょ。それとも嫌なの?俺に心臓の音がバレるのが」


「なっ!!!!」


「めっちゃ心臓バクバク言ってるのすげー聞こえてくるんだけど?」



なんて言いながら今度は正面から抱き締められて。



「あの?!先輩??!」



またもや咄嗟の事にテンパる私。

余計心臓バクバクしてしまうじゃないですかっ!!




でも重盛先輩は私の髪に顔を埋めて耳元で


「いいから」


なんて言われると黙って大人しくするしかなくて。

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