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Pour mon cher -涙の先に-

第26章 揺れ動く

「は?」


思わず声が漏れる。


何、言ってんの?嫌いの間違いでしょ?


「好きです」


2度呟くように言う彼女の気持ちが黒い俺を苦しめる。


俺は…自分の苛立ちのために抱いたのに‥‥!



苦しくなって小さく蹲る俺。



すると、ふわっと温もりに包まれる。




そう。




最低な事をした俺を、最低な事をされた彼女が包み込むように抱き締めてくれたんだ…。



その温もりはスッと俺の中に浸透してきて。

とてもとても温かくて。

…今まで感じた事がない温もりだったんだ。






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