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Pour mon cher -涙の先に-

第7章 雨の告白

「え?」


思わず私の腕を掴んでる先輩の手を見る。


「何で帰ろうとするの?」


何で・・って・・そりゃぁ・・


「振られた・・から?」


「いつ俺が振ったの?」


「え?だって・・」



さっきの言葉って遠回しのお断りじゃなかったの?


と思った時、頬に何か冷たい物が当たって。

思わず空を見上げると朝からどんより雲だった空が雨雲に変わってパラパラと雨を降らしてた。



「俺、まだ振ってないんだけど?」


そう言いながら先輩は鞄の中から折り畳み傘を出してそっと傘に入れてくれ


「いいよ?」


「え?」


「いいよ。付き合っても。」



と、ニコリとも笑わず相変わらず冷たい表情で言った。









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