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Pour mon cher -涙の先に-

第57章 聖なる夜と指輪とストラップ Ⅱ

「すみません!凄く痛くてー!」



ってトイレから出てきた彼女はグッシャグシャの顔しながら気丈に振舞ってて。



大きくて綺麗な瞳は真っ赤で、まるで兎のよう。





そんな彼女を見ると更に心が痛くなる。




何度も眉を下げて笑いながら申し訳なさそうに謝ってくる彼女。




そんなに謝らなくていいのに‥。




その“ごめん”は何に対しての“ごめん”なの?





泣いた事?




それとも‥‥





俺は彼女の頭そそっと撫でた後、彼女の細くて小さな手をぎゅっと握りその場を後にした。






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