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Pour mon cher -涙の先に-

第8章 雨模様は涙色

「愛。おいで?」


・・今、名前呼びとか卑怯だし・・。


“愛とか嫌い”って言ってた先輩の口から私の名前を呼んで貰えた事が嬉しくて自然と先輩の広げる腕の中にスッと入り込む。



「ドキドキしちゃってんの?」


「・・そりゃしますよ?」


「すっげードキドキいってるよ?」


「でしょうね。好きな人に抱き締められるわけですから。」



逆に先輩は至って平常心なのか全然普通の心臓の速さに軽くショック受けますよ・・私。



「愛」


の言葉と同時に先輩の顔が近付いて来て。



やっぱり綺麗な顔してるなぁ



なんて冷静に思いつつ目を閉じた瞬間、重ねられる唇。

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