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S×強気で恋になる

第68章 贈り物




「ご飯たけたぞ。よそえ」
「・・・・うん・・」
「なんだ上の空だな。こっちこい。」

そう言うのに、純平はソファーの上で
あぐらをかいたまま、じーっとしていた

ガキだな


さっきまで元気だったのに
熱でたか?


そう思って、煮込んでいたシチューの鍋の火を止める
カウンターキッチンから
ソファーに向かうと
純平はパッと顔をあげた

「・・・・・なに?・・・」
「・・・なんでもねぇ。どーした。しんどいのか?眠いのか?」

そう言いながら、純平の横に座り
おでこに手を当てた

なんだよ熱ねぇじゃん

そう思いながら、純平の背中が寒くないように
背中の後ろで立て膝をたてながら片足を伸ばし
脚で純平を包む

「なにか不満そーだな。言え」
「・・・・別に・・あ、ご飯よそうんだよな・・」

そう言って立ち上がろうとする純平の手首を掴み
俺の足の間に体を戻す

そして後ろから、首筋に鼻をつけ匂いを確かめながら純平をぎゅっと抱きしめた

「ちょ、・・・なにやって・・・!」
「久しぶりに会ってから、こーやって抱きしめてなかったから。俺の手の中にいるんだって、再確認。」
「!!っ、・・・ちょ、離せ、よ・・!」
「照れんな。今一ヶ月ぶりに抱きしめてんだ。アップデートさせろ。」
「俺、ソフトじゃねーし、っ、」

しばらく体を固くしていたが
俺がぎゅっーと抱きしめると
だんだん脱力して俺に寄りかかってくる

それが嬉しくて俺は純平の首筋にキスをおとす

「っ、真一・・跡つけんなよ・・?!」
「はいはい。お前はアップデート終わった?俺の体温久しぶりだろ?」

そう言われると、こーやってじっくりゆっくり
抱きしめたのは再会したときくらいで
そんなの寝ぼけててあんまり覚えてなくて
本当に久しぶりな気がしていた

なんか、・・・照れる・・


本当は明日から会社に行くぞって
ここから脱獄することばっかり考えてたんだけど
こうやって優しくされるのに


俺弱いな・・・


「・・・っ、アップデート・・した・・・」
「俺の愛最新だからなぁ。お前のOSに対応してるかな?腹減っただろ。飯にしよう、な?」
「・・・あぁ。」

俺はくしゃくしゃっと頭を撫でられ
立ち上がる真一を追いかけるようにキッチンへ向かった

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