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S×強気で恋になる

第6章 奇妙な同居

「うわっ。すげーな、お前、、、。じゃなかった、岡崎さん。」
長い脚を自然に組んで、俺を見ている岡崎。
こいつ、本当にイケメンだな。
つい、そんなことを思ってしまう自分がいることに戸惑い、頭をふる。
いかんいかん、料理につられるな。

「お前、面白いな。頭で思ってること、顔に出てるぞ。早く座って食え。」
そういって、岡崎は脚を直して正面に座った。

いただきます。

やっと食べられる、そう思ってメインに目を向けると。。。

うそだろ、魚かよ。
つーか、箸かよ。

で、山芋に、刺身に、、、

こいつ。わざと楽しんでるだろ。っーか性悪?単なるいじめ?左で箸とか使えねー、っの。
フォーク取りに行くか。
そう思い立ち上がろうとした瞬間、
楽しそうに見ていた岡崎と目があった。
「食事中にどこへいく。社会人にもなって食べ歩きか?行儀わりーな、純平は。」
そんなことをサラっと言う。
「ばっ!ちげーよ、お前がヌルヌルしたのとか魚とか出すからだろ?食べれねーにきまってっからフォーク取りに行くんだよ。」
「お前って言うなって言ったよな?」
ビクっとするくらい、睨まれる。

なんで俺が睨まれなきゃならねーんだよ。
ここ俺ん家だし、わけわかんね。
「純平、お口も悪いのか。教育するところがいっぱいでこれから大変だなぁ。」

は?教育?これから?
ハテナ三拍子の俺に奴は続けてこう言った。

「この上の部屋は俺なんだよ、純平君。なーんにも出来ない口悪のお前のために、ここにしばらく住んでやる。その代わり、食事洗濯、風呂や着替えの世話してやるぞ。」

ぜってーダメだ。こんな危険なやつ!と思う気持ちと、この左手生活の鬱陶しさから逃れられると思うと別にラッキーかと思う気持ち、、、。
もうどーにでもなれだ。車にぶつかった時点で、俺の運はつきてる。そう思い、結果
「ムカついたらすぐ追い出すからな。」
そう言って、魚に箸をぶっさした。

「貸せ。下手くそ。」

そう言って、岡崎は魚の身をほぐしてくれた。

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