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S×強気で恋になる

第73章 これが俺

まだ薬で頭がぼーっとしてたのか
純平はよけることなく
モロに蹴られて吹っ飛んでった

壁で頭をうったのか、
痛そうにうずくまる純平に近づき深呼吸をする

「な?お前は俺の言う通りにしてたらいいから。痛かった?でも、弟が他の男に嵌められてるとこ見てる俺のがもっと痛いから。ってことに・・・・なんでわかんねーんだよ!!!!お前が高校行って大学まで行けたのは誰のおかげだと思ってんだ!!!!捨て子の分際で俺にたてつくな。・・・だから、な?カップラーメン食べて、元気出して」
「・・・・・・・」


そうだ



よかったんだこれで



ずっと胸にあった
真一に惹かれるたびに
好きになるたびに

いつか捨てられるんじゃないか
飽きられるんじゃないかって

恐怖と葛藤も


愛されてることがわかってるのに
俺は真一を、うまく愛せなくて
言葉にできなくて
不安になることも


幸せで楽しくてあったかくて
たまにどうしたらいいか
分からなくなることも



もうそんなのないんだ


あぁ


俺楽になったんだ



だからこの匂い
この俊哉の匂い嗅いで安心したんだ


もう俺感情なくていいから
誰も傷つけないし
傷つくこともないし


真一を怖いくらい


求めることも


ない




もう俺疲れた




神様



俺もう疲れた




その人に乗り越えられる力があるのを知って、神様は人に壁を作るって言うけど


俺は



生きていくのに




精一杯だよ



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