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S×強気で恋になる

第74章 バカ犬


女に声をかけると
少し警戒しながらも俺に近づいてくる

「俊哉の友達なんだけど・・・話あって」
「えーうそ、あんた超かっこいいじゃん。話ってなんですか?」
「中に純平って男いるよな?」
「いるけど、それがどうかした?」
「その・・・あなたと付き合ってっーか、体の関係とか・・・その、・・・」
「あぁ。セックス?」

そうストレートに言われて
俺は苦笑しながら頷いた

と、突然女が笑い出すから
俺は顔をあげた

「してないしてない。なんか、ずっと寝れてないみたいで、元気なかったんだよね、最初会ったとき。睡眠薬飲まなきゃ寝れないって言ってた。で、あたしに会ったらなんか安心するって言い出して・・・俊哉さんが薬代かからないからって純平君が安心するまで通ってるだけ。だから、抱きしめられて寝るくらいで何もしてないよ。いいでしょ?超イケメンが苦しんでるところも、あたしに頼ってるところも快感。寝ずに待ってるからさ、あたしが来たら早く寝よって言うの。だから、今起きてるんじゃないかな」

そう言って、クスッと笑う女の髪の毛が
風になびく

とある香りがした

「この香り・・・・」
「あぁ。これ、男性用だけど爽やかでいいよね」

そう言って女が取り出したのは
俺と和也が愛用しているのと同じ香水で
俺は泣きそうになった

「部屋の鍵は?」
「さぁ?開けっ放しなんじゃない?純平君、トランクスしか着せてもらってないから部屋出れないし。それに、ぼーっとしてるだけだし」
「わかった。引き止めて悪かったな、」

そう言うと、ふわっと俺を抱きしめて
高いヒールで歩き出す


男慣れしてんなー
綺麗で細くていい女・・

純平には負けるけど


そう思いつつ、アパートを見上げる

俺はもう迷いなんてなかった
絶対純平は俺を待ってる


そう信じれたから
あいつの好きなチョコをポッケに入れて
薄汚い階段を上がった




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