S×強気で恋になる
第74章 バカ犬
瞼が揺れる純平に優しく声をかけると
薄っすら目を開けて、俺と目が合う
と、純平は急にもぞもぞと手を布団から出して
目を隠すように置いた
「・・・純平?ん?どした?」
そう言って前髪をサラサラとしても
純平は手をどかそうとしなかった
「・・・純平の顔みたい・・・・・・だめか?」
「っ・・・お前の顔・・っ見れな・・っいから・・・」
泣くなよ
そう言う言葉をすぐ言うんじゃなくて
口下手な純平に合わせるように
黙って抱きしめる
きっと俺の気持ちは伝わってるし
こうすることで、
純平の気持ちもわかる気がした
そうだ、焦らなくていいんだ
純平のペースに合わせないと
また、俺が強引に無理矢理
物事進めちまう
勝手なことしてたのは俺だ
もう下手に喋らない
純平と分かり合えるまで
俺も立ち止まる
そう思って、泣きじゃくる純平を
ただ抱きしめた