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S×強気で恋になる

第78章 終わりは告げないで




藤間が帰ってから純平とは
一言も会話してないな

純平が風呂に入ってる間
一人で酒を飲みながら
誰も座ってない椅子を見つめながらそう思う


酒をついだものの
そんなに呑む気分でもなくて
氷を入れたグラスは汗をかいて
濡れていた


藤間がアメリカでお前に合う仕事がある
ってそう言って

俺は正直迷った

もちろん行く気でもなかったけど

俺の中で病院勤務は今の個人整形より
忙しさはあったけど充実感と生きがい
やりがいがあったから

ほんの少し

ほんの少しだけ迷った



でも、純平はついてくるか?
そもそも純平のために病院辞めたんだ

ってそう思って
俺はきっぱりと断った


なのに


ー行ってこいよ。俺明日からここでるし、そっちの方が真一向いてるって。俺抜きで考えろよ。


なんて言うから


ーまあ、返事はまだいいから。岡崎にはビックチャンスだと思う。よく考えろ。・・・二人で。


って言って立ち上がる藤間にも
何も言えなくて
俺は深くため息をついた


純平はついて来る気はないのか?

ここに居る気も・・・・・


俺たちはどうしたらいい


純平があんな顔すると思わなかった


心の決まった
意思の硬い・・・・静かな顔


俺はどうしたいんだ





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