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S×強気で恋になる

第79章 それぞれの地雷


暗闇に目が慣れてきて
純平がよく見えてくる

「・・・ごめんな、昨日・・・・・」

そうまた言う純平の頭を撫でながら
俺はまた照れ隠しで天井を向く

「お前は謝るな。・・・選手はさ、観客と喧嘩しないだろ?スポンサーとも、・・・。だけど、同じフィールドにいる選手とは方向性で言い合うこともある。だから、純平とはきっとこれから先、また喧嘩するかもしれないよな。ないかもしれないけど、・・・」

「・・・・・・うん」


「だけど、それは俺がお前を大事に思うからで、別にどうでもよかったら腹立つことないしムカつきもしない。それはわかる?」


「・・・・・なんとなく」


「例えば園長先生に怒られても嫌いにならないだろ?」


「・・ならない」


「それと同じ。俺たちは体の関係があるぶん、本質を見失いがちだけど、身体は後付けで、根の部分はお前と園長先生みてーな・・・ずっと一緒にいたいって気持ち」


「・・・・・俺のことまだ好き?」

まだ好き?
そう聞く純平に俺は胸が痛くなる

ずっと確かな愛情に触れてこなかったから
信じることも
愛されてる自信もない
純平はいつもまっすぐなのに


そう思いながら、天井をみるのをやめる
左手で純平の前髪をかきあげて
おでこに手を当てて
純平の大きな目としっかり目を合わせた



「・・・・・。俺はお前が好きすぎて頭おかしくなりそう」


「・・・本当?」


「殴って悪かった。手は出さないって約束する」


そう言うと、純平は俺から目をそらして
目を閉じた


「・・・しなくていい。けど、怖くなる・・」


「うん。」


「だから、・・・・・もしまた俺が怖くなったら・・」


「たくさん話して抱きしめてやるよ。それでいい?」


「・・・あぁ。」


「俺の話理解した?」


「・・・よく分からなかったけど、真一がたくさん話してくれて嬉しかった・・・・・・」


「わかるよ、そのうち。寝ろ。眠そう、お前」


そう言って今度は俺が抱きしめた

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