S×強気で恋になる
第80章 真一のバカ
「お、なんだよ。お前鍵開けっ放し。言っとくけどインターフォン鳴らしたからな。って、おい!何半泣きなってんだよ!!驚いた?」
「っ、たり前だろ、・・・!!このタイミングで入ってくんなよ」
「このタイミング?なんか知らねーけど、辛気臭ぇなー。なんかあった?」
「・・・なんもねーよ」
そう言うと、藤間が
こっちこい
って手招きした
「なに。っーか、なんの用?」
「いいから。俺に付き合えって」
そう言われて
そのまま藤間に腕を引かれる
「わかった、歩くから、手離して!!」
「いなくなんなよ?」
そう言いながら、藤間がどんどん歩くから
俺は半ば小走りでついて行って
何もわからないまま車に乗った
「どこ行くんだよ。」
「楽しいとこ?」
「はぁ?どこそれ。っーか、嘘くせぇ」
「お前口悪い。黙って乗ってろ」
そう言われて急発進する車に
ビビりながら
俺はマンションの車庫を出た
「っ、お前スピード出し過ぎ!!!っ、怖いって!」
「そんな出してねーよ。あいつが速いから逃げてんだよ」
「あいつ?・・・!!!!」
「浮気してるって思われてるかもなぁ?あいつ顔ガチじゃん。どーにかしてよ」
そう言いながら、ギュンとカーブを曲がると
なんのタイミングで同じになったか
分からないけど真一の車に後ろから
猛スピードで煽られていた
怖・・・!!!
っーか、ぶつかったらどーすんだよ!!
こっちは死ぬほどハラハラしてんのに
藤間がニコニコしながら
なぜか首都高に乗った
「っ、どこ行くんだよ!!!」
「いやぁさ、本当はただ飯食いにって思ってたんだけど、あいつ追いかけてきてるの楽しいじゃん?このまま遠くまで逃げてまいちゃおうかな、と」
「お前馬鹿だろ!!!高速乗ったらまけねーし、終わらねーし!!降ろして!!」
「無茶言うな。あ、ほら岡崎から着信。俺の車、ハンズフリーつけてねーからお前でてよ。」
「やだよ!!怖いに決まってんだろ?!」
そう言って藤間から受け取った携帯の着信を切ると
後ろからクラクションを鳴らされる
「うおー、あいつ高速でクラクション鳴らしやがって。純平、窓開けて手振ってやれ」
「無理無理無理無理!!!!」
誰かどーにかしろよ・・・!!!
そう思いながら意を決して
真一からの電話に出た