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S×強気で恋になる

第81章 スタートライン







知らない廊下を歩く





お前変わったな




って真一が少し嬉しそうに俺に言った





真一のが変わった





そう言いたかったけど
俺たちの間に流れてる雰囲気に
照れてしまって
俺は黙ってうつむく





それでも足は前を向いていて





真一に手引かれながら歩くことが
すごく居心地がよかった





なにもかもどうでもよくなって
嫌なことも
忘れたいことも
全部全部許せて






あぁ、これが幸せか





なんてしみじみ思って
噛み締めたりしながら




俺の中で優しい気持ちと幸福感が溢れて止まらなかった





こんなにも満たされたことなんてなくて

愛情を感じたことも注がれたことも
そもそもなくて





この気持ちの止め方も
俺は知るはずなくて・・・





何がどうなってそうなったのか
俺自身理解もできないくらい






ただ恥ずかしい格好して歩いてるだけなのに






男なのにドレス着せられてるのに







俺は涙が止まらなかった



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