S×強気で恋になる
第48章 小さな亀裂
・・・いい匂いする
薄っすらと目を開けると
ここが自室だとわかった
あれ?・・いつのまに家・・・?
なんか身体楽になったな
起きようかな
そう思ったあたりで、扉が開く
「さすが犬。鼻いいな。身体起こせる?」
真一がラフな姿で
お盆を持って立っていた
「あぁ。だいぶ楽になった。」
起き上がろうとして、右腕に力をこめる
「っ、ん、」
プルプル震えて全然使い物にななくなっていた
「無理すんな。昨日とったばかりで、筋肉ガタおちなんだから。お前細すぎ。飯食ってリハビリしろ。じゃなきゃ、俺に一生勝てねーなぁー?」
ぐしゃっと頭を撫でられる
「っ、うるせー・・・。なに、それ?うまそー」
「あぁ。これ?お粥じゃ物足りねーかなーって思って、エビトマトチーズリゾットにした。うまいぞ。ほら、うま」
俺のために持ってきてくれたのかと思っていたのに、岡崎がパクパク食べだす
っ、腹減ってんのに
グゥゥゥゥーー
「なぁ、ちょーだい。俺も、俺も食いたい・・・」
「お前さ、俺がいなくなって飯食ったか?」
「昼は・・・食べた・・・けど・・・」
「飯は食わねーわ、ギブスは濡らすわ、お仕置きだろ。これから三食食べますかー?」
岡崎が餓鬼を相手にするような声できいてくる
「わかったから、食べるから、!!腹減ってる人の前で、食うなんて拷問・・・。ちょ、スプーン貸せよ!!」
「・・・あーん、してやる。ほら、食べたいんだろ?・・・俺気が長くねーけど?いらない感じ?じゃ、あと全部おれが食べてもいいんだ。」
さっき岡崎がパクパク食べたせいで、半分以下になっていたのに、また岡崎が食べようとする
「ほら、アーンするから・・・も、普通に食わせろよ・・・」
あっ、と口を開ける純平を見つめる
バカだな、まじで